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『マイバケットリスト』#27

『世界の行ってみたい100サーフポイント』

” サンタバーバラ/リンコン、ザ ランチ ”

       

『Queen of the Coast』

ロスアンジェルス中心から海へ向かい、サンタモニカへ。
そこから北へ向かいマリブ、オックスナードを経て、ヴェンチュラを抜ける海岸線を2時間半ほど走るとサンタバーバラにたどり着く。

サンタバーバラは、世界的な観光保養地コートダジュールなどを指す言葉を用い、アメリカンリビエラと言われている。
スパニッシュ語源の都市名の通り、南欧風の裕福な家を思い浮かべる家々、落ち着いた居心地の良さを感じる街並み。

小ぎれいなレストラン、ワインとカクテル。
魚介類の料理にパスタ。
欧米人達が好むリゾート風タウン。

『優雅な香りがする』

『海岸の女王』として知られるリンコンのポイントブレイクは、その町外れにある。

北半球で最高のレギュラーブレイクの一つ、と言われ、
ロサンゼルスの有名なマリブと肩を並べ、最もクラシックなサーフスポットだ。

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紅葉の季節にアメリカの友人から連絡があり、

『今度アメリカに来た時にリンコンとその先にあるランチに行ってみないか』と誘われた。

断る理由もなく

『もちろんオッケー!』とお願いした。

年の瀬も深まった12月、ロス空港に着くと友人とその友達が迎えに来てくれ、そのまま車に乗せられて北へ向かった。

『リンコンには行ったことある?』と聞かれたので
『何度か行ってるよ。ランチは行ったことがないけど』

確か2回ほどサンタバーバラに行った記憶があった。

『リンコンでサーフィンした後、
今日の夜は、その先のランチに家を持ってる友達がいるのでそこに泊まろう。
ランチは、俺たちも初めてなんだ』

友人も楽しみにしているようだ。

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リンコンは50年代からサーフィンされていたらしい、
サーファーマガジンの創設者であるジョン セバーソンが、大きな波があったときにこの場所をたびたび訪れていた。

そして、このスポットは徐々に人の知るところとなり、
マリブのミッキー ドラ、ランス カーソン、フィル エドワーズが訪れ、地元の人々ともセッションし
その後、カリフォルニア中からサーファーがやって来た。

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ニュージャージー出身の有名なシェイパー、アルメリックは1970年頃にサンタバーバラに到着し、
この地でチャンネルアイランドサーフボードを誕生させた。これも一つのエピックだ。

リンコンの長く、完璧な波は、サーフボードとサーファーのスタイルの発展につながった。

世界で最高の波の1つ、最高のサーファー、そしてこの伝説的なシェイパーの才能の組み合わせは、完璧にマッチした。
リンコンの常連だった父とその息子、世界チャンピオンのトム カレン。

そのスタイルと流れがリンコンの共通の特徴であり、その品質とロケーションが世界で最も混み合ったスポットの1つにもかかわらず、
海の中の雰囲気はとても良く、サーフィンの伝統と精神の優先順位が上であることが理解できる。

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リンコンに行く前、ハイウエイを途中で山手の方に曲がり、ゴルフ場の脇近くにあるガード付きの大きなリゾートタウンに立ち寄り、 検問所で名前を伝えると、

警備員が

『確認するので少し待ってください』

門がゆっくり上がり、坂をどんどん登っていくと右手に現れたのはお城のような家。
玄関を入ると天井がゆうに5 M ほどありそうな大きなリビング。

そこの息子が出てきて『ちょっと、待ってね。サーフボード用意してくる』

窓からはゴルフ場を見渡す抜群の環境、外部からは完全に遮断された高級住宅街。

『金持ちなんだね』
『多分、株か何かで億万長者になったんじゃない』

それは、どうでも良い。みんな気にしない。

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リンコンの最適なうねりの方向は西うねりらしい。

丘の上から見た写真では、遥か沖からコーデュロイのように筋張った幾重にも及ぶライン。

肩サイズから10フィートまで出来るらしいが、最高なのは頭サイズから6フィートで、干潮と北東風がベストらしい。
条件が整うと、ビーチまで約300メートルのライドを見ることができ、

一番奥のインジケーターから始まり、3つのポイントを乗り継げるトップクラスの波となる。
2番目の短いセクションを通過できれば、最後のインサイドセクションにつながる。

肩から頭くらいの波が順々に崩れている、

『一日3本乗れば、十分満足できるね』

急いで着替え、念の為ブーツをはいて、インサイドからパドルアウトしていく途中で
皆んなが楽しそうに乗ってくる、それを見るもの楽しい。

サーフィンを終え、
街を散策しながら、サーフィンはサンタバーバラ文化の一つの象徴なんだと思った。

エンドレスサマーの映画製作者であるブルース ブラウンに影響を与え、
10度の世界チャンピオンであるケリー・スレーターもここが大好物らしい。

サーフレジェンドのパットカレンはサンタバーバラを故郷と呼び、息子のトムもお気に入りの場所だ。
コナーとパーカーのコフィン兄弟や芸術や音楽と無名のサーファー達が融合し、究極のサーフタウンを作り上げた。

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彼を車に乗せ道案内をしてもらいながらリンコンからさらに北へ向かいランチの入り口に着く。

入り口の検問所の係員とは顔見知りのようで顔パスで通過
『お客さんは一度に4人しか連れてきちゃいけないようになってるんだ』

『ビーチへの車の乗り入れが禁止で、オーナーだけは入ってもいいんだ』

かなり厳しいルールがある。

広大な土地にところどころポツンと 平屋の家がある
『その右手は映画監督の家だよ』
聞いたことがある名前だ。

さらに走ると『あそこは有名なアウトドアブランドの社長の家だよ』
有名な金持ちは、隔離され、プライベートが守られたところに住んでいるようだ。

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サンタバーバラの町からハイウエイを進むとゲートが現れ、その先はプライベートエリアとして、アクセスできない場所がある。
知る人ぞ知る『ホリスターランチ』

幸運なサーファーの仲間が発見したのは、質の高いポイントと岩礁が豊富な海岸線。

レイザー、ビッグドレイク、リトルドレイク、ユタ、ライト&レフト、セントオーガスティン、レフト&ライト、コホリーフなど。
全てが1級品、美しい、手付かずのランチの波。

持ち主か招待された小人数の友人だけがアクセスできる、地球上で最後の最高の場所。
アクセスできない多くの人にとって、地主の強欲さ。
たまにアクセスできる人として、この上ない幸せ。

アクセスが制限されているという理由で、ポイントが美しく手付かずの状態である。

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翌朝薄い霧が残る中、ゆっくりと朝食を食べ海岸のサーフスポットを順番にチェックした。

崖の先端から綺麗にレギュラーの波がブレイクしている場所がある、ビッグドレイクだ。

誰もいない海に、オーバーヘッドのセットが次々に入ってきている、
『オッケー早く行こう』
急いで着替え海に飛び込む、
なんて素晴らしいんだ、たった4人で貸切だ!

水はやや冷たいが波がいいので許される。
たまに大きなセットが入ってきてドルフィンで苦しい思いをするがそれもまた楽しい。

アメリカの資本主義は、プライベートを重視し、
経済力があれば、思ったような人生を得ることができるようにルール作られた。

これが資本主義の凄さなのかと感じ入った。
日本にこの主義があっているかは、疑問だが。

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サンタバーバラには文化やアカデミックにもサーフィンと関連することがある。

一つの例は、
大学の学位を取得しながら波をスコアリングするための米国で最高の大学、ベストサーフカレッジ、カリフォルニア大学サンタバーバラ校だ。

一番近いポイントの名前は、まさに『キャンパスポイント』
有名な『サンドスピット』もキャンパスのすぐそばにある。

ハーバーの理想的な場所にあるサンドスピットの波は、強いカレントと流れ、それに対抗するうねりが作る長いチューブ。

海の上の絶壁に位置する家やアパートは、サーファーにとって理想的な場所であり、
ほぼすべてのバルコニーにウェットスーツをかけ、サーフフィルムやイベントの開催をする。
大学生/サーファーとして最高の場所の1つと言える。

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ランチからの帰りがけに高速道路からリンコンの波が見える。

波は素晴らしいが、今日は海の中には許容を超える人が入っている。
良い波に乗れるのはほんの一握りの人たち、それも1日に数本だろう。これもまたアメリカの現実だ 。

       

同じように、有名なシェイパー、アルメリック本人が創り上げたシェイプは、素晴らしく調子の良いがボードがたくさんあったようだが、
スノーボードメーカーと一緒になってからは、工場での大量生産になってしまった。

時代が変わりつつある事を考えていたら、
帰り道でFMから、ママス&パパス 『夢のカリフォルニア』が流れて来た。

all the leaves are brown,
木々の葉が枯れ始め

and the sky is grey,
灰色の空が広がっている

on a winter’s day
冬の日に

     

ライター;南 夏海
大学在学中からサーフィン出版社に出入りし、
東南アジアサーフトリップ、創業。
映像、ライセンスビジネスなどの会社設立。
ブランドオーナー、サーフクルーズCO-OWNER。
早稲田大学卒。   

     

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