
『世界の行ってみたい100サーフポイント』
” ニューカレドニア “
ニューカレドニア『天国に一番近い島』
花が咲き乱れ果実がたわわに実る夢の島、神様にいつでもあえる島。
働かなくてもいいし、獣や虫もいない…そんな天国にいちばん近い島が地球の遥か南にあるという。
それが、きっとニューカレドニアだと思い、ニューカレドニアへ行くことを心に誓った昔の旅行記があった。
バリ島が混雑していると感じ、それ以外の未開のインドネシアはちょっとね。
そんな時、ニューカレドニアを目的地にするのは、混雑もなく、非常に興味深い代替案かもしれない。
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首都ヌメアから北西45分の小ぎれいなトントゥタ国際空港に着陸すると、簡単な入国検査をし、ガイドさんがピックアップにきてくれていた。
『ボンジュール!ムッシュ』
南国の香り、明るい青空、ゆったりとした人たちの雰囲気が心地よい。
ニューカレドニアの首都ヌメアは海沿いにある。
ヌメアの近くの海はヨーロッパ人が入植した19世紀当時の美しさを保っているように綺麗だ。

街にはいくつもの入り江があり、たくさんのビーチや素晴らしいビューポイントが集まっており、
お洒落なバーやレストラン、ブティックが建ち並んでいる。
ヌメアの街はもとても魅力的だ。
フランス人が創り出す街、自然を保存し、大切にするリゾートはこのようになるのだなと思わせられる。
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次の日の朝、ルノーVANにサーフボードを積み込み、高速道路を北西に向かう。
途中の小さなお店に立ち寄る。

ガイドさんから、安い食材があるスーパーやパン屋さんで
『昼ご飯を買っておいてください』と言われたので、
色々な大きなフランスパン、丸々購入しても安い。
その中から、フランスパンにハム、チーズ、野菜が詰め込まれた
ハーフバケットとジュースを取り、
『いくらですか?』
食材や日用品はほぼ近くのニュージーランドやオーストラリアからの輸入に頼っているので
お店の女性主人から聞いた値段は少し高く感じる。
『メルシー!』
フレンチパシフィックフランで支払いを済ませて、少し休憩、
さて出発だ。
島の右下にあるヌメアから北西に伸びた海岸線を飛ばし、途中から左に折れ、
しばらく草原の未舗装道路をくねくね走る、地元の人たちがのんびりと寛いでいる姿が所々に見える。
湾を回り込むと小さな入江が見えて来た。

船着場に簡素なロッジとボートが置いてある。
『ハロー、ウエルカム』ボートで案内するガイドが待っていた。
ラグーンは遠く、波は全く見えない。
『どれくらいかかるの?』
『ここから30分ほどだ。水と食料を忘れずにね』
『スピードボートで30分か。濡れたら冷えそうだね』ウエットに着替え、ウインドブレーカーを羽織り、
途中のお店で購入したペットボトルとバケットサンド、リンゴをバックにねじ込んだ。
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ニューカレドニアは理想的なサーフスポットのひとつだと言われている。
オーストラリアのタスマニア島とニュージーランドの間で発達する低気圧の影響で、
4月から9月までが最もいい条件で波に乗れる季節らしく、きれいなうねりの波の高さは軽くオーバーヘッドになるようだ。

また、その季節の貿易風は、サイド/オフショアとなると聞くと、期待が持てそうだ。
1月から2月はとうねりが少なくなるそうだが。。
波がない場合の選択肢は釣り、島巡り、シュノーケリング。
フランス領出身のWCTサーファー、ジェレミーフローレスは、この島をとても愛し、こう言ってます。
『完璧な波、混雑していないスポット。レフトの波は、私が今までサーフィンした中で最も長い波の1つです。
典型的なリーフブレイクで、1つはマニューバー、もう1つはチューブの2つのセクションを持っており、
水は暖かく、地元の人々はフレンドリー。
私はできるだけ早くこの島にまた戻ってきます』
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はるか遠くにうっすらとブレイクしている白い波が見える。
ボートが近ずくと、サンゴ礁の切れ端で規則正しいレフトの波がある。

ポイント名は聞かない。
場所が特定できるような写真は、極力撮らない。
地元のサーファーも人が増えるのを嫌っていて、ガイドも気を使いポイントをオープンにしたくないようなので、
このポイントは孤立したままであり、ライブカメラもないので、行ってみないと予見不可能な波。
そして、行き帰りにボートは不可欠であり、卓越した地元のサーフガイドは絶対に必要となる。
『今日の午前中はここにしよう』
ガイドの掛け声で海に飛び込む。
暖かく、温暖で、半熱帯または亜熱帯気候の平均水温は21〜23度。
風もなく、少し冷たい海水が心地よい。
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ヌメアは上品な街だ。
文明化された西洋スタイルの島、フランス語を話すユーロとメラネシアの地元の人々の混ざりあった文化。

こじんまりとしたニューカレドニアの面積は四国とほぼ同じぐらい
洗練されたホテル、買い物をしたり、フレンチレストランで食事をしたり、到着した日にサーフヨットチャーターで出発することもできる。
モーゼル湾にあるマルシェ(朝市)は、ニューカレドニアで最も大きい市場、青い瓦で6角形の建物が5つ。
誰にでもわかりやすいロケーション。平日の朝5時からお昼まで、朝市が立ち、
漁船を見渡す海側の建物では、遠洋やサンゴ礁内の獲れたての魚や伊勢海老、
マングローブ蟹や青味をおびた大きな魚、エビ、タコ、シイラなどが溢れている。

夜は、本格フレンチレストランでワインとチーズ。そして、魚か肉料理。
物価が高いのが気になるが、食欲には勝てない。
豊富な海鮮を活かした多国籍な料理が楽しめる美食のエリアなのだ。
しかし、ホテルやレストランで食事は金額が張るので注意が必要。
どうしても、安く上げたい場合は、夜の市場に現れるフードバン(キッチンカー)
地元料理から、移民たちが作り出す、ベトナム、タイ、中華料理などが味わえる。

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もう一つ忘れてはいけない場所が「カバ・バー」
普通のバーではなく、入り口の外にポツンとある赤いランプ、これが開店のサインだ。
怪しげな雰囲気、何も知らないと通り過ぎてしまいそうだが、奥は現地の人たちの溜まり場だ。

ココナッツの殻を半分にしたコップへとカバを注いでくれる。
フィジーで飲まれているのと同じコショウ科のエキスから作るドロッとした茶色の飲み物。
漢方の様で、決して美味しいというものではないが、
飲んでいると口がしびれて、痺れが麻痺させるのか、ゆったりとした気分で落ち着く。

気をつけないとなぜか皆んなで毎晩行ってしまうことになる。
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ある日、いつもの場所からさらに北へ向かうと、別のレフトの波があった。
午前中はそこで波乗りして、昼に無人島に上陸して、サンドイッチのランチ。

『午後は少し離れた場所に行こう』ガイドがいつになく張り切っている。
途中、リーフに座礁した難破船を見ながら進むと、ライトの波が見えてきた。
数名がサーフしているが、やや風が悪く、波数も少ない。
入りたい所だが我慢して、もう一つのポイントへ先へ進む。
岩礁の反対側に回り込んで着くと、風もサイドオフショアで、波が整っている長いレフトの波があった。
2〜3名が遠いピークにいて、ミドルにも数名。

皆んな無言で波を見ていたが、ガイドの
『OK,レッツゴー』の声で我に返った。
長い波だ!
島で最も長い波と言われる波
ピークからテイクオフし、短いチューブになる所を抜け、長い壁の波をスピードに乗って走り、次のセクションにに合わせてカットバック、
さらに2つ、3つのターンを繰り返す。
そして最後の切り立ったセクションを無地通過できると、数百メートルのロングライド。
ピークに戻る長いパドルも苦にならない。

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最初の数日をボートトリップにして、残りをヌメアの小ぎれいなホテルに宿泊する。
どちらのオプションにするにも長所と短所があるのだが。

それとも陸上キャンプに滞在することを選び、
キャンプベースのスピードボートでアクセスできる沖合数キロ未満の高品質の多数のリーフパスに向かうことも出来る
ニューカレドニアの広大な珊瑚礁に浮かぶ無人島、日帰りで気軽に行ける島
このような島では車もないし、人もほぼいなく、のんびりバカンスが楽しめる。
透明な海水と透き通って見えるサンゴ、カラフルなフィッシュ、
ランチボックスとミネラルウォーターを手にシークレットな波を満喫する。
確かにサーファーにとって『天国に近い島』なのかもしれない。
ライター;南 夏海
大学在学中からサーフィン出版社に出入りし、
東南アジアサーフトリップ、創業。
映像、ライセンスビジネスなどの会社設立。
ブランドオーナー、サーフクルーズCO-OWNER。
早稲田大学卒。
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