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『マイバケットリスト』#1

『世界の行ってみたい100サーフポイント』

”アガディール/モロッコ”

かなり前のことになるが、今は無き『USAサーファーマガジン』の特集号に掲載されていた写真の記憶がある。
赤土の崖の下に沿ってブレイクする長く規則正しい波。
その波を一人で気持ちよさそうに駆け抜けていこうとするサーファー。
波の手前には、どんな場所なのか想像をかきたてるカラフルな漁船や家そして漁師の姿。

 

冬の大西洋、北東から吹き付ける風が波を作り出した波はアフリカ大陸北部へ到達し、
そのうねりの方向と大陸北西の地形の特徴がどこまでもレギュラー方向への規則正しい波を作り続けるモロッコ王国。

映画『カサブランカ』でも有名なようにフランス租界が育んだ文化により、現在ではフランス語、カフェ、サンドイッチなど欧州と大きく違いのない食生活。
フランス語が話せなくても、簡単な英語、そしてサーファー同士なら身振り、手振りでコミュニケーションが取れる。

海外から飛行機で到着する場合の主な空港があるカサブランカ。そこから南のエッサウイラ、そしてアガディールまでの長い海岸線。

ローカルの多い有名なポイントから、無人のビーチブレイクまで、波の大きさ、風向き、そして岩場、ビーチ、無数の波がブレイクしている。

 

砂漠気候のため、サボテン、ラクダ、山羊、夏の乾季が終わり、10月になると少し肌寒くなり雨が降り出す、そこから一斉に砂漠から草や木の目が芽生えてくる。

うねりもそれと同時に1週間程度の周期を持って、大きな波、小さな波の周期を繰り返す。

やはりここでも『良い時間帯に正しい場所に』、昔からのサーファーの格言通り、潮の干満でクオリティが大きく変化し、場所にあった潮回りにあえば、素晴らしい波と出会える。

 

宿に一緒にステイしていたヨーロピアンに誘われ、2時間程の未知の場所へ向けてドライブ。
砂漠の中を抜け、小さな街を通過し、曲がりくねった細い山道を走り丘に建つと眼下に見たこともない幾筋もの波が連なっていた。

 

そしてゆっくりと道を下って降りていくと突き当たりに漁港があり、その堤防の先から波が崩れている。
その波は、はるか遠くの海岸まで延々と綺麗に正しく割れていく。

海岸線の先にある砂の絶壁を見ながら、しばらく呆然として、立ち尽くした。

 

見せてもらった映像では、長い波にロングボードに一人で乗り、浜までの走行距離およそ1分半。

ロング向けの波なので、近くのキャンプにボードを借りに行く。
7フィートのスクール用ボードを見つけ、

 

『この板借して?』 『100ディルハム(約1000円)だよ』
『半日なので50(約500円)ディルハムで』
『じゃー、60(約600円)ディルハムでどう?』
『ノー、50(約500円ディルハム』
『オーケー』

滑りやすい急な坂を下りて、最後の岩のステップを超えるとビーチにたどり着く。干潮なので、先端の堤防の脇まで歩き、パドルアウト。
思った以上に流れが早く、岸の方へ流れがあるので、かなり真剣に肩と腕をフル回転。

最初の波で200m、中間地点でまた波を捕まえ200m乗るとビーチにたどり着く。
一旦上陸し、500mほど歩いて、再度パドルアウトを繰り返す。

長いサーフィン人生の最長距離の一つを記録した波は、およそ、400m。
『もう1本乗ろう』上陸、パドルアウトを繰り返す。

 

 

アフリカ大陸では観光に力を入れてきているモロッコは、欧州から飛行機でカサブランカまで約1−2時間、
そこから車で南下するか、飛行機を乗り換えカサブランカからアガディールまで約1時間。
ヨーロッパ中からサーファーが集まる場所となっている。

アガディールエリアは、初心者向けのビーチブレイクから中級者向けの砂と岩場が混ざったポイントブレイク。
上級者向けのリーフブレイクまで豊富なセットアップになっている。

 

暖かい気候を生かした果物、野菜が豊富で、ヨーロッパ各地へ輸出されているほど安く、新鮮。
タジン鍋の料理、クスクス、絞りたてのフレッシュジュース。

 

街の中には、小さなサーフショップが軒を連ね、ボードレンタル、スクール、もちろんガイドも行っている。
ガイドの質に違いがあるので、スクール向けには満足できるが、ローカルが強い場所、シークレット扱いの場所などはガイドの力量が物を言うようだ。

名前をあげられる場所としては、アンザ、バナナポイント、パノラマビーチ、アンカーポイント、キラーポイント、デザートポイント、そしてボイラーズ。

メインポイントのタングートの街の中心から30分以内に10以上ものスポットがある。

アガディールの南北にさらに足を伸ばせば、人生最高の波の1つに乗ることができるかもしれない。その場合は信頼の置けるガイドをつけたほうが良いだろう。

 

 

文=南 夏海

》次号12月は情熱の国”スペイン”トリップ編です《

 

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