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『マイバケットリスト』#13

『世界の行ってみたい100サーフポイント』

イタリア / サルディニア島 “

シチリアが四国とすれば、サルディニアは九州と思われる面積がある。
シチリアから飛び立ったLCC航空機は、上昇が終わるとすぐに着陸態勢に入り、およそ45分位でサルディニア島の州都カリアリに着陸した。

真っ白な海岸線と美しいティレニア海を望む、イタリア屈指のリゾートと言われるサルディニア島。

島の首都、港町だけあって、海鮮レストランが多く、どの店を選ぶか困ってしまうほどオシャレで洗練されている。
メニューリストには、前菜盛り合わせ、チーズにオリーブ、ムール貝、アサリのパスタ、魚料理にワイン、締めのドルチェとコーヒー。

隣のテーブルで地元の客が食べているムール貝が美味しそうだったので、指差して、

『あの料理お願いします』
『OK,飲み物は?』
『ビノ ビアンコ(白ワイン)を』

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翌朝の朝食は外のカフェなので、宿のスタッフに

『どこかお勧めのカフェはある?』
大学生スタッフが
『大学の近くのこのお店が人気店よ』とグーグルで教えてくれた。

坂を登って、高台にあるカステッロ地区の教会や大学の近くに向かい、海を方向を眺めると左の山際から朝陽が昇り始め、右下にはカリアリの港が見える。
港周辺の下町チッタ・バッサも映画風景のように美しい街だ。

遠く沖からは大きな客船が港に向かってくる、
カリアリに行くには、船便なら、イタリア本土からも運航するようなので、
昨日パレルモに停泊していた船かもしれない。

地中海は船旅に向いているのだなと思い至った。

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サルデーニャの主なエリアは、南部の玄関口「カリアリ」と北部の「アルゲーロ」

イタリアの治安が悪いという噂だが、サルディニアの治安は安定しているようだ。
夏のバカンスシーズン、世界中のセレブが集まるリゾート地として知られる北部は、
その時期、多くの外国人観光客で埋め尽くされるらしい。

夏の時期は波もなく、穏やかな観光シーズン。イコール、サーフィンには不向きなシーズン。
秋から冬にかけてがサーフィンのベストシーズンだ。

シシリアでの反省を生かし、レンタカーを借りることにした。
煩雑な説明をイタリア語と英語のミックスで受け、頭の混乱しているうちにサインさせられ、鍵を受け取る。

係員さんは
『来年、日本に観光で行くのよ。楽しみだわ。私の名前を漢字で書いてくれない?』
『なんていう名前?』
『バージニアよ』

む〜、しばらく悩んで、
『これでどうかな。馬路似愛』
『ソー、クール!』
『どういたしまして!』

『車はエレベーターで4階の何番にアルファロメオが停まっているからね、チャオ!』

日本車のオートマを希望していたのだが、運転しづらそう。

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穏やかな地中海には波がないと言っているにもかかわらず、意外と波がある。

夏は小さく、冬は大西洋方面の低気圧の強い季節風が波を作り出す。
サルディニア島も東西南北の海岸線でサーフィンが可能だが、一番コンスタントなのは西側のエリア。

ナビがないので、メールで送られた宿泊先アドレスをスマホに登録し、
100kmほど離れたオリスターノまでハイウエイで向かう。

シシリアの山岳とはまた違った風景が広がり、なだらかな丘と草原地帯が広がる。
農作物も豊富で、食べ物が安いのも納得できる。

  

宿に着くと一人のイタリア人宿泊客が案内してくれて、お店にサーフボードを借りに行く。
ショップ正面のビーチ、水は驚くほど綺麗だが、今日の波は小さく、スクールを開催している。

スタッフのマルコが
『どれでも気に入った板使っていいよ』
『このソフトボードが良いかな。どこか良いポイントある?』
『30分ほど離れたところだと出来るかも』

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のどかな田園地帯を走る地元の車は、小さく可愛らしい車が多い。
小さな街に入ると道幅が狭くなり、ヨーロッパの街らしく中央に教会や広場がある。

BSの『小さな村の物語 イタリア』に出てきそうな、風景と人間本来の暮らしが見える街だ。

スタバやマックなどのチェーン店は見かけず、個人店のカフェが多い。

店のおじさん、お姉さんは親切、そして安くて、美味しい。
2ユーロ(240円)でカプチーノと大きなクロワッサンの昼食を受け取り、

『グラッチェ!(ありがとう!)』というと、必ず
『プレーゴ(どういたしまして)』と返してくれる。

豊かに暮らし、美しく生きるとはこういうことかもしれない。

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半島の南端にあるビーチはやや風が吹いているが、サーフィン出来そうだ。
小さな半島の先端には、ローマ時代から石組みの塔が立ち、周りには発掘調査が行われている。

海岸線が保全され、自然豊かで、ビーチでのんびり過ごしている。

1時間ほど海に入って、今日は終了。

翌朝ビーチに向かうと、スクールはお休みのようで、マルコたちがカフェで過ごしている。

『今日はデイオフなの、一緒に波乗り行くかい?』
『もちろん』
『30分後に出発しよう』

カフェラテとパンを注文する。
この海岸は音がなく、うるさい音楽や騒ぎ声も聞こえない。

しかし、イタリア男子はタバコの喫煙率も高く、男同士で飽きるほど会話を継続する。
海に向かったのは、ほぼ1時間経過してからだった。

『サーフボードのレンタル代はいくら?』
『10ユーロ(1,200円)でいいよ』
『1日だね?』
『一緒に波乗りしたから、全部で10ユーロで』

何て良い奴だ。

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ある日、イタリア人宿泊客のピエトロと別のリーフポイントへ向かった。
湾の沖で何箇所かブレイクしている。

水がきれいで、手前のビーチでは海水浴を楽しんでいる
泳いでみたが、裸ではやや冷たい
地中海でもアフリカから遠いので、シチリアより冷たく感じる。

潮の干満がほとんどない地中海気候、チェーン店がほとんどない伝統的生活、
独特のサーフィン文化があるようだ。

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波が小さくなったので、
人里離れたビーチに向かい、午後のシエスタ。

バイクや車の音、子供の声が聞こえず、無音の世界。
緯度が高いので、太陽光線は強いが乾燥していて熱く感じない。

イタリアの海を楽しむには、波がない時のサップ、ウインドサーフィン、シュノーケル、
スキューバダイビング、ヨットで遊べると満喫できそうだ。

陸地も楽しむなら、マウンテンバイク、ランニング、そしてシエスタ+本。
ローマ帝国の興亡について書かれた本を読みながら、遠い昔に想いを馳せる。
誰もいない海、日が暮れるまで浜で遊ぶ、優雅だ。

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ドイツ、スイスから車でテント、キャンピングカーも多い。
それほど自炊はせずに、朝はカフェ、昼は、マーケットのサンドイッチ。
夜は、レストランでピザ、パスタの外食が多い。

毎晩通ったピザ屋には、観光客も多く、釜で焼いたピザがうまい。

大きなマルゲリータが1枚5ユーロ(600円)、一人で食べたら、これだけで腹一杯。
地ビールとワインで、幸せになれた気がする。 

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地中海は島と島の距離が近いので、船旅が良さそうだな。
大型客船で行くのもありだが、サーフィンするには、
ヨットをチャーターして色々な場所や島をめぐり、波があればサーフィン、無ければ世界遺産を巡る旅。

サルディニア島以外にも、地中海には多くの島に波があるという
フランス領のコルシカ島。
スペイン領のイビザ島
マルタ島。。。。

気のあった友人との日々は極上だと想像できる。
旅の終わり、ローマに戻る飛行機からサルディニア東海岸に押し寄せる波が眼下に見えた。

ライター;南 夏海
大学在学中からサーフィン出版社に出入りし、
東南アジアサーフトリップ、創業。
映像、ライセンスビジネスなどの会社設立。
ブランドオーナー、サーフクルーズCO-OWNER。
早稲田大学卒。

》次号2020年1月は ロンボク島 / インドネシア編《

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