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『マイバケットリスト』#10

『世界の行ってみたい100サーフポイント』

” モルジブ 共和国”

日本から途中乗り継ぎを経て、夜遅くモルジブの空港島に降り立った。

空港の島には、空港があるだけで、観光の乗客は、直結の船着場から迎えのボートでリゾートへ向かう。

高級リゾートは、大型のスピードボート。

ミドルクラスのリゾートはそれなりのボート。

カップルやダイビングと思われる団体は、ガイドに案内され豪奢なボートに乗り込むが、

『私のボートはどれかな』と探しているうちに、次々と出航していくので不安になってきた時、

船着場に残っている現地の小さなボート(現地名ドーニ)から真っ黒な人影が手を振っている。

『この船で良いの?』サーフボードを指さしながら身振り、手振りで尋ねると

『OK, 出発するぞ』と船長。

乗客はどう見ても観光客ではなく、空港で働いている地元の人たちと同乗し、

小さな島に寄りながら、ゆっくりと進んでいく。

静かな海面と海風が心地よく、少し寝入ってしまった。

翌日、真っ暗な夜が明けるとそこは紺碧の空と海。クリアウォーターの上を崩れる波、

ダイビングの島のイメージが強いが、波も良い。

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モルジブでサーフトリップするには二つの方法がある。

一つは、島のリゾートに宿泊。

その島のポイントか近くのポイントまではボートで送迎してもらうので、家族連れの旅にも向いているし、

宿泊者だけがサーフィン出来るリゾートもあるので、混雑がなく、雰囲気が良い。

サーフィンは各島の外側に伸びるパス(棚)にヒットするリーフブレイクで、他の場所に行きたい場合は、ドーニが送迎をしてくれる。

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サーフィンを終わらせた後のディナータイムは、いろいろな料理から選べるスタイル。

魚料理、肉料理、サラダ、ライスがあるので、毎日食べても飽きがこない。

  

デザートタイムになると、明日どこでサーフィンするのか話が盛り上がっている。

『明日朝は、どこでサーフィンしたい?』

パスタポイントから見える島の両サイドにあるサルタン、ホンキーの波が気になっていたので、

『第一希望はサルタン!』

『OK, 他のゲストはここでゆっくり楽しみたいようなので、ソロセッション(一人で)出来るぞ。

朝は潮が動かないので、バッチリだ』

うーん、、一人か。不安と期待が入り混じる。

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モーニングコーヒーだけ済ませて、もう一人のサーファーとドーニで出発。小さな島の沖でサーフボードと一緒に飛び込む。

彼は島の逆サイドのホンキーに向かった。

島と島の間は流れが速いので、とても水が澄き通っている。

水泳用のゴーグルをつけて、リーフの形、熱帯魚を見ながら、ゆっくりパドルでサルタンポイントに近づく。

岸方向から見てみると、長く筋張った波が奥からきれいに崩れてくる、1〜2本やり過ごして、3本目にテイクオフ。

波の力は、それほど強くないし、急に掘れ上がってくることもなく、長くメローな良い波だ。

島は無人島らしく、周りに人の気配は全くない。

ドーニが迎えに来るまで、形の良い波だけを選んでテイクオフを繰り返す。

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インド洋のスリランカの下にある岩礁に囲まれた小さな島が1,000個ほど点在するモルジブ。

そのうちの200の島に人が住んでおり、リゾートとして100ほどの島がある。

外国人は特別に許可された場合を除いて観光が許可されている島以外には入ることができないので、必然的にリゾート島の宿泊となる。

最近はヨーロッパからの旅行者が多く、物価も高いために大人向けであると言える。

風向き、ウネリなどの条件により1ヶ所に集中してしまうことさえなければ、仲間内だけでのサーフィンも出来る。

モルジブは、一つの島に一つのリゾートと決められており、どの島もターコイスブルーの海とサンゴが砕けた白い砂が素晴らしい。

月間の平均気温は30度で年間とおして、変化がなく、水温も暖かい。

サーフィンの季節的には、4月〜9月が良いとされていて、10〜12月は天候が不安定な日が増え、

残念ながら、1−3月は、波が無い日が多い。

季節風により、シーズンが限定されるが、透明な水と暖かい水温はウエットスーツが必要ないのでオススメだ。

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もう一つはクルーズボートに乗り込み、宿泊し、ポイントまでそのボートで移動する。

朝から晩までサーフィンと釣りができるので、サーフィン好きなグループにはうってつけだ。

イルカやマンタに遭遇できる可能性もあり、シュノーケリングも楽しめる。

北マーレ環礁には、パスタポイント(宿泊者のみサーフが可能なポイント)、サルタン、ホンキー、ジェイル、ロヒフシ、

少し北には、コークス、チキンといったサーフポイントがあり、クルーズボートだと好きな場所にいつでも行ける。

北へ向かうと他にもポイントがあるという噂がある。

ドンベェリやフドゥランフシなどのモルディブ最高峰の優雅で快適なプレミアムサーフリゾートに滞在するのも良いが、

南マーレ環礁方面にも未開発のポイントが 無数に 存在していると言われていて、ボートトリップで行く目的地としては、悪くなさそうだ。

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空港の隣の首都マーレは、島全体にビルディングが立ち並んでおり、人口密度世界一と言われている。

飛行機に乗るまでの時間があれば、ボートの船着場から10分ほど行けば、お土産店がひしめき合うので、立ち寄ってみる価値はありそうだ。

  

大きな魚市場は活気に溢れ、カツオやマグロが売りさばかれ、職人さんに少しお金を払えば、1分ほどで見事にさばいてくれる。

モスク、宮殿もあり、島の南側へ走ると、サーフィン可能な場所もある。

タクシーにサーフボードを乗せていくほどの価値があるかは微妙だが。。

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Tony Hussein Hinde: 『トニー ハッサン』

オーストラリア生まれのモルディブのサーフィンのパイオニアで「モルディブでのサーフィンの父」

1973年 スリランカから南アフリカへ向かう予定のヨットのクルーメンバーとして乗り込んだが、北マーレ環礁で座礁。

ヨットを修理する数ヶ月の間、モルジブにはサーフィンの潜在力がすごくあることを理解し、修理が終わり出航するときに彼は島にステイすることを選んだ。

その後15年ほど、口の堅い友人たちだけを招いて、ポイントを秘密のまま維持していたが、

1980年中頃に友人とサーフ旅行会社アトールアドベンチャーを設立し、タリビレッジ(現在のドンベリリゾート)にサーフキャンプとホテルの運営権を得た。

モルジブ女性と結婚し、イスラム教に改宗し、子供をもうけ、

そして、2008年。大好きなパスタポイントで波乗り中に心臓発作を起こし、帰らぬ人となった。

数奇な運命に運ばれて『モルジブのサーフィンのパイオニア』と呼ばれたトニー、

インタビューアーが問いかけた『どうしてここでの生活を選んだの?』に対し、

『完璧な波を見つけての、シンプルな人生とサーフィン。自分が何をしたいか位はわかっていたよ』

ライター;南 夏海
大学在学中からサーフィン出版社に出入りし、
東南アジアサーフトリップ、創業。
映像、ライセンスビジネスなどの会社設立。
ブランドオーナー、サーフクルーズCO-OWNER。
早稲田大学卒。

  

》次号2019年9月は南アフリカ J_BAY 編《

   

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