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『マイバケットリスト』#3

『世界の行ってみたい100サーフポイント』

“エリセイラ/ポルトガル

はるか大西洋の北東から吹き付ける風が波を作り出し、断崖の多いイベリア半島に押し寄せる。
夏の間は穏やかな海も、北からの風が強くなる秋からがサーフシーズンの始まりです。

寒流の影響で冷たい朝靄のかかったカリフォルニアを思い出させる水温、
太陽が顔を出す昼には、一気に気温が上がってくる。

ポルトガル全体に言えることだが、大きな断崖と小さく綺麗な砂の入り江が入り組んでいる海と海岸が存在する。
そして、崖の下の小さな入り江に必ずおしゃれなカフェと駐車場があり、
ワインを飲みながら、夕日を見るには最高のスポットとなる。

リスボンより北にクルマで約1時間。大西洋に面し、夕焼けのきれいなサーファーの町『エリセイラ』。
落ち着いた街並み、安くて美味しいレストランと相まって、よりその場所を魅力的見せている。

大きな街道にはスケートパークとカフェを併設したクイックシルバーのフラッグシップストア、『Boardriders』もあり、
自然の生息地が保存された海岸線、そして歴史を作ってきたサーフィン文化により、『エリセイラ』はヨーロッパで有名なサーフタウンとなっている。

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海岸線にはホテル、漁港が並び、街の色合いと海と空のブルーが調和し、
街の中心にはお綺麗なウエア、アクセサリーの店舗と、伝統的なレストラン&カフェがある。

修道院由来のお菓子として有名なポルトガル発祥のパステル・デ・ナタは、小さなカスタードクリーム入りタルト。

『このナタとコーヒーお願いします』
『エスプレッソかい』
『カフェオレを』
『??コーヒー&ミルクね。合わせて1.3ユーロ(160円)だよ』

『ここで飲むかい。それともそれともテラス?』
『外で』

立派なコーヒーマシンで豆をセットし、一杯ずつ丁寧に入れてくれるのは歴40年と見受けられるバリスタおやじさん。

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ポルトガルのサーフチャンピンなども誕生し、小さな街を有名にしてきたエリセイラ。
少し北に行ったリベイラ・デ・イーリャスでは、世界大会が開催され、有名なサーファーもよく訪れる。

金砂と暗いターコイズブルーの海、ビーチにアクセスするには、崖の上に駐車場があり、長い階段を下って歩く。

自然のまま手付かずで残されている砂浜が多く、
ヨーロッパでナンバー1の美しく保護されたサーフポイントとして認められているのがわかる。

このエリアの有名なポイントは、ペドラ・ブランカ (Pedra Branca) 、リーフ (Reef) 、リベイラ・デ・イーリャス (Ribeira de Ilhas) 、カーヴェ (Cave) 、クレイジー・レフト (Crazy Left) 、コショス (Coxos) 、サン・ローレンソ (São Lourenço) 。

多様な波によりサーフィンの難易度も様々で、初心者からプロまで、サーフィンには最高のビーチが揃っており、
サーフスクール/レッスンをしているショップがいくつかあるので、初めて波に挑戦するスクール希望者にも、テクニックに磨きをかけたい中、上級者にも利用できる。

最近行われた世界戦はそこから少し北へ向かった『ペニーチェ』。
車で1時間半ほどで大きな岬に囲まれ、風の影響を受けにくいので、波はエリセイラよりも安定している。

南の端サグレス周辺は少し違った田舎町、美味しい魚料理があり、キャンピングエリアが多く、水温はエリセイラよりやや高めの印象がある。

ビーチへのアクセスは海の見えない大きな道からそれぞれのビーチへの道が1本通っていて、
グーグルマップでの事前調査か地元のサーファーとのコミニュケーションが大切。
そしてポイントエリアの駐車場はバンや、キャンピングカーでの宿泊サーファーが非常に多い。

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ポルトガルは物価の安さもあり、イングランド、ドイツ、フランス、スイス、オーストリアなどヨーロッパ北部から押し寄せるトリップサーファーが多く、
ビーチではサーフスクールが開催され活気がある。

空港送迎担当は、トリップ好きのオーストリア人。
『夏はここでサーフィンしながらお金を貯めて、冬は、スリランカに行くんだ』

宿のレストランで働くのは、ドイツ人大学生。
『長い夏休みは、ここでサーフィンの練習をして、来週大学に戻って、また勉強だよ』

サーフィンのガイド/ビギナースクール担当は、あまりサーフィンが上手くない英国人。
『EU から英国が脱退しそうなので、
母国の将来に希望が持てないんだ。この後はオーストラリアに行こうと思ってる』

夏の街、お店は、観光客で潤っている。

サマータイムの夜、海岸はビーチクラブになり、深夜のパーティが朝日の昇るまで続くこともあり、7、8月の夏季休暇時期は要注意。

今から約500年前には東向きの世界航路を開いたバスコダガマ、日本に鉄砲、カステラを伝てくれた国、ポルトガル。ユーラシア大陸最西端のロカ岬。
長い伝統と歴史のある国、車を利用して、サーフィンしながら旅行するのが一番合っているようだ。

 

ライター;南 夏海
大学在学中からサーフィン出版社に出入りし、
東南アジアサーフトリップ、創業。
映像、ライセンスビジネスなどの会社設立。
ブランドオーナー、サーフクルーズCO-OWNER。
早稲田大学卒。

 

》次号2019年2月はインドネシア・メンタワイ編《

 


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